2009年7月20日月曜日

Dorothy LovecotesとTPW




   作年末に参加したワークショップで「ゴスペルの歴史」なる分科会に参加しました。ゴスペルマニアとして有名な古澤さんという方が音源を用いながらゴスペル音楽の成り立ちについて説明していく授業内容だったのですが、そこで、現在有名なシンガー達の若い頃参加していたグループやクワイアのレコードなんかを見せていただきました。  Hezkiah WalkerやRichard Smallwoodといったシンガーのブレイク前の姿を拝見させていただきました。 その中で個人的に関心を抱いたのは日本ではKirk Franklinより人気があるかもしれない(笑)?アラバマのTPWのメンバーとして来日を繰り返している驚異的なソプラノシンガーCleo Kennedyでした。 彼女はあの伝説的なグループDorothy Lovecoates&The Original Gospel Harmonnetesのメンバーだったこともあり、彼女が参加したLPのジャケを拝ませていただきました。  
Dorothy Lovrcoatesという名前を現在の日本のゴスペルファンはどれだけ知っているかは解りませんが、ゴスペルの歴史においてあのMaheliah Jacksonを凌ぐ知名度と影響力を持っていると言って良い存在でもあります。彼女がソウルシンガーに転向していたらAretha Franklinを軽く超えるシンガーとなっていたと言われるほど黒人社会でリスペクトされていたシンガーであります。  幾度と無く世俗音楽への転向の話が舞い込んできたそうですが、信仰を貫き通すためにゴスペル音楽から離れることのなかった強い信念の持ち主でもあった。 ソングライターとしても数多くのスタンダード曲が彼女の手によって書かれている。 余談ですが、DIANA ROSS&THE SUPREMESの「恋はあせらず」(You Can't Hurry Love)という曲はDorothy Lovecoatesの「You Can't Hurry God」をヒントにH-D-H(モータウンのソングライターチーム)が書いている。  
 その偉大なDorothy Lovecoatesのグループに在籍していたまだ十代だったと思われるCleo Kennedyの姿を拝見させていただきました。TPWがDorothy Lovecoatesの曲を数多く取り上げるのは彼女と同じアラバマのグループであること、そしてCleoが関わっていたことが理由なのでしょう。
 そのCleoさんですが、今日CDを整理していたら思わぬところで彼女のクレジットを発見しました。マスクワイアスタイルのゴスペルを大胆に導入して近代ゴスペルを築き上げ「ゴスペルの王様」と呼ばれ続けたJames Clevelandが83年にリリースしたLP「It's a New Day」にCleo Kennedyがソロを取っている曲が2曲も収録されていました。James Clevelandがディレクトしていた幾つかのクワイアの中でも知名度、実力ともに高いSouthern California Community Choirのメンバーとして参加していたそうです。 かなりの高音域のソプラノスタイルで歌い上げる彼女の歌声を確認しました。  
 しかし、色々な人から話を聞いたり、レコードやCDを地道にコレクトしているとこうゆう発見があったりするから面白いですね。

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